3月27日~3月29日に、チェリストの水野由紀のデビュー盤の録音を行いました。場所はかながわアートホールにて。水野由紀は、現在桐朋学園大学4年生。宮崎国際音楽祭への出演、最近では飯森範親氏指揮による山形交響楽団と共演など幅広く活躍しています。また、クラシックの枠にとらわれず、TVメディアでは、ヤマザキナビスコ「プレミアムクラッカー」のCMにヴァイオリンの宮本笑里さんと出演するほか、MUSIC FAIRに番組出演を果たすなど、いま最も注目される若手女性チェリスト。可憐な中にも凛とした輝きを持つ期待の新人です。
今回の録音では、彼女のデビュー盤として、メンデルスゾーンのチェロ・ソナタ第2番をはじめ、サン=サーンス「白鳥」「アレグロ・アパッショナート」、ラフマニノフ「ヴォカリーズ」、エルガー「愛の挨拶」、メンデルスゾーン「無言歌」などの小品を収録。共演したピアニスト菊地裕介の鮮やかなピアノにしっかりと支えられ、たっぷりとした歌心としなやかな技巧を見せ、新進気鋭のアーティストとして充実の演奏を聴くことができます。
2012年2月13-14日の日程で、プラハ、ドモヴィナ・スタジオでバボラーク指揮によるチェコ・シンフォニエッタのセカンドアルバム収録が進行中!
2012年1月21日(土)、22日(日)山形テルサホールにおいて「山響ニューイヤーコンサート2012」が行われ、同時にライヴ収録も行われました。
インバルという指揮者は、本当に奥の深い様々な魅力を備えたところがある。例えば同じ曲を二度録音したとしよう。同じ時期では差はないが、一年も間をあけると、どんどん違ったアイデアやアプローチの仕方まで変わって来る。従って、客やオーケストラを飽きさせない達人である。
ファゴットという楽器は不思議な楽器だと改めて思う。音域が広く、何より音色が多彩だ。現代では冷戦時代と違い、情報化が進んでそれぞれの楽器のメソッドも一緒で、世界中のオーケストラの音も近い。勿論個々を構成する楽器の音色なども似通って来た訳だ。ウイーンフィルのウインナオーボエやウインナホルンは特別だが、ファゴットに至っては殆ど同じメーカーのものが多いらしい。しかし、この楽器の音色は世界中で余りにも違う。まことに地域や人によって出て来る音に違いがあるのは、録音する我々にとって楽しいものである。
小林研一郎のベートーベンサイクルも、残すところ第九だけとなった。今回は、4・8番という組み合わせだ。両方ともコンサートのメイン・プログラムで演奏される曲ではなく、コバケンがどのような演出でこのコンサートを成立させるか、とても興味深かった。
2011年9月29日から10月1日、北アルプス文化センター(富山県)において、上野真演奏によるリストの巡礼の年第2年「イタリア」、巡礼の年第2年補遺「ヴェネツィアとナポリ」の収録を行いました。
この収録に使用された楽器は、リストが曲集「巡礼の年」の作曲、演奏をしていた同時代の楽器で、1852年製イギリス・ロンドンで製作されたオリジナルのエラール。このピアノは、1851年ロンドン万国博覧会に出品されピアノのグランプリに輝いた記念モデルで、翌年に発売されたものです。保存状態が最上のランクに位置し、ピアノ線の平行弦以外、低音部の巻き線やハンマーとそのフェルトを含む部品がオリジナルで、楽器が作られた当時の音色をここまでリアルに再現できる楽器は、現存するエラールの中でも非常に希少価値の高いものです。その楽器の音色をDSD収録した貴重な音源であり、2011年リスト・イヤーを飾るにふさわしい記念すべき録音となりました。
2011年9月13-15日コピスみよし(埼玉県)にて、粟田口節子演奏によるモーツァルトの最初期の作品の収録が行われました。1764年(作曲家8歳) にパリで作曲された4曲のクラヴサンのための4つのソナタ(K.6からK.9)を1764年初版譜( K.7のメヌエットⅠのみ1763年初稿譜)を使用して収録。この曲集は後にヴァイオリン・ソナタの第1番から4番として改作され、現在の全集に記載されていますが、この曲集のオリジナルの姿を再現させるために、ザルツブルグ・モーツァルテウムのアーカイブに保存されている貴重な資料をとりよせて収録を行いました。
使用楽器:Franco-Flemish harpsichord by David Jacques Way & Marc Ducornet 1994