今回リリースのマーツァル&チェコ・フィルのブラームス:交響曲第1番。
チェコ・フィルのブラームスの交響曲第1番の録音は意外と少ない。
かつては、アンチェル。最近だとビエロフラーヴェクやアルブレヒトがこの曲を録音している。
他の番号の交響曲はチェコ・フィルと相思相愛の日本人指揮者、小林研一郎が第2番(OVCL-00336)と第4番(OVCL-00325)を2002年と2008年にエクストン・レーベルへ録音をしているだけだ。
ドヴォルザークがブラームスに見出されたという事実から、チェコでのブラームス演奏が多くてもいいのだが、録音が極端に少ない事実には驚きだ。
そこに、マーツァル&チェコ・フィルのブラームス・シリーズがスタートした。
録音年が2005年。
その頃のマーツァルとチェコ・フィルの演奏記録を見てみると、
マーラー:交響曲第3番(2005年5月)レコード・アカデミー賞受賞
チャイコフスキー:交響曲第5番(2005年10月)レコード芸術誌特選盤
など、エクストン・レーベルよりリリースされている重要なタイトルが集中していることがわかる。
2003年のマーラー:交響曲第5番のチェコ・フィル首席指揮者就任記念コンサートから2年。
チェコ・フィルを自分のオーケストラとしてコントロールし、昔ながらの、古き良きチェコ・フィルとして原点回帰し充実している様子が顕著に伺えるのがこの時期である。
今回リリースの交響曲第1番はそうした2005年の録音であることに注目して聴いてみると
細かいフレーズの歌わせ方、オーケストラのサウンド・バランスが絶妙であることが納得いく。
奇をてらうことなく、あくまで自然な音楽の流れに逆らわないマーツァルらしい演奏はオーケストラとの最善の関係から生まれた名演だ!!
また、マーツァルのブラームス・シリーズの続編は交響曲第2番(2009年12月11日発売予定)、交響曲第4番(2010年1月発売予定)。
第2番が2009年10月録音、そして、第4番が2005年10月録音というこで注目の2005年の録音がまたひとつ増えることになる。
また、現在のチェコ・フィルを堪能できる2009年の録音にも注目だ!!
ブラームス:交響曲 第1番
ズデニェク・マーツァル(指揮)
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
ブラームス:交響曲 第2番
小林 研一郎(指揮)
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
ブラームス:交響曲 第4番
小林 研一郎(指揮)
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団