現在、オランダ アーネムにおいてショスタコーヴィチ・シリーズの第3弾である、交響曲第15番の収録が完了しましたが、並行して、12月に収録、3月末に発売の、交響曲第5番と、作品110の弦楽四重奏曲のバルシャイ編曲による室内交響曲が完成しました。
日本で第2次編集までを完了し、現地でオーケストラの総裁ジョージ・ヴィーグル氏(元ロッテルダム・フィルの首席トロンボーン奏者で、ロッテルダム音楽院の教授でもある。現在オランダの殆どのプロ奏者、コンセルトヘボウ、ロッテルダム、ラジオ・フィルなどのトロンボーン奏者たちは彼の弟子であるほど、有名な教育者でもある。) それから、オケから選出されたコミッティーの数名を交えて、最終編集を行ないました。
第5交響曲のテクスチュアは、通常のロシアン・アカデミーによる力強い全体像ですが、細やかなテンポ設定、テンポの変化などについてはきわめて楽譜に忠実。 アレクセーエフがサンクト・ペテルブルク・フィルに息づく、作曲者自身による楽曲の演奏方法などを、ここアーネムで見事に再現しました。
アーネム・フィルの持つ、弦楽器群の美しい響きに、激する部分はあくまでロシア的な、爆発的表現を厭わず、実にダイナミックに富んだディスクが完成しました。
また、室内交響曲では、非常に難度の高い演奏を、アレクセーエフの精密な棒と、過去ベルリン・フィルで活躍したRoeland Gehlen(現在コンサートマスター)によって実に見通し良く、完璧な技術で演奏されており、このオーケストラの層の厚さを再認識する出来栄えとなりました。
この贅沢な2つの大曲のカップリングは、来月発売の新譜になります。